病気いろいろ(内科編)
当院へ来られる患者さんたちはなんらかの症状があって来院されることが多いと思います。そしてこれって病気かも?と心配されて来られることでしょう。
どうして病気が心配になるのでしょう?それは敵(病気)のことがよくわからないから不安になるのでは?
このページではそんな不安を少しでも解消できるようにいろんな病気のことについて書き連ねてみましょう
①高血圧症
病気の名前を5個言ってみて?と聞くと大抵のひとが口にする、とてもメジャーな病気です。でも、じゃあどんな症状?って聞くとどうでしょう?
そもそもどこからどこが高血圧なの?それよりも血圧ってなに?上の血圧?下の血圧?って思っている方も多いのではないでしょうか?
では、まず血圧とは?というところからいきましょう(笑)
血圧とは一般的に動脈という心臓から流れ出てくる血管の流れの圧力のことです。
心臓の拍動によって血液は循環しますが心臓が収縮し血液を圧し出している時の血圧を収縮期血圧と呼びます。いわゆる”上の血圧”というものですね。
そして心臓が収縮し終わり次に圧し出す血液を蓄えるための拡張する時の血圧が拡張期血圧、いわゆる”下の血圧”になります。
高血圧の基準もその時々によって少し異なるのですが現在、病院に来られてお医者さんまたは看護士さんに血圧を測ってもらった時に上(収縮期)が135mmHg、下(拡張期)が85mmHg以上の値を示すと高血圧ということになります。(おうちで測る家庭内血圧では少し基準が変わります。)じゃあ上(収縮期)の血圧が140mmHgだったり下(拡張期)の血圧が100mmHgだったりするとどうなるのでしょう??
実際、そのような方が症状を訴えることはほとんどありません。収縮期血圧が180mmHgや200mmHgくらいになると頭痛や吐気、のぼせ感や動悸、耳鳴りといった症状がでてきますが、少々血圧が高いからといってもほとんどの方が無症状なのです。じゃあ、そんなの病気じゃあないやん、と思われませんか?そうですね、確かにそう思われたあなたは正しいと思います。でもそれが高血圧症の怖いところでもあるのです。高血圧症は症状に乏しいのですがその状態が長期にわたると心筋梗塞や心不全、脳出血などの重大な病気を引き起こすので”サイレントキラー(沈黙の殺し屋)”といわれています。つまり無症状の高血圧だからといって放っておいてはいけないのです。重大な病気にならないように血圧をコントロールする必要があるのです。治療は日常生活の改善と内服治療が主体となります。
いままで血圧なんて測ったことないで〜と思われた方、ご自分の血圧を一度測ってみてください。
②糖尿病
これまた、誰もが知っているとっても有名な病気ですよね。
当院に健診などで来られる患者さんたちの中にも採血をすると
”糖尿は大丈夫ですか?”と心配される方がおられます。
じゃあ、実際に糖尿病ってどんな病気なのでしょうか?
人間の臓器を動かすために必要なエネルギーは糖分、それもブドウ糖という形で血液中を流れていてこの濃度を血糖値といいます。この血液中のブドウ糖(血糖)はインシュリンやグルカゴンというホルモンで濃度が一定に保たれるようになっています。このバランスが崩れて血糖値のレベルが高い状態に陥っているのが糖尿病です。ひとくちに糖尿病といっても生まれつきの体質でなる場合と食生活などの日常生活から生じてくる場合とがあります。
血糖値が多少高い値であっても症状は出にくいのですが、口の渇きや尿の回数が多くなったりすることがあります。極端に高い血糖値の場合は意識障害などの重篤な状態に陥ることがあります。糖尿病も高血圧と同様、それ自体の症状はあまりないので軽視されたり放置されがちになってしまうことがあります。しかし、血糖値の高い状態が続くと毛細血管の障害が生じてきます。すなわち、からだの中で細かい血管の分布する部分から徐々にそれに伴う症状が出現します。たとえば手足の指の先や腎臓、目の網膜といったところです。ひどくなってくると手足の神経障害や血流障害が起こり壊死に陥ったり、腎不全が進行して人工透析が必要となったり、失明したりすることがあります。
治療は食事療法と運動療法と薬物療法の3本立てで行います。
薬物治療にも内服薬によるものとインシュリン注射によるものがありますが
原則は食事の管理と運動です。
この病気も症状が出る前にしっかりコントロールすることが大事です。
職場の健診などで血糖値が高いとかHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が高いと言われた方は是非一度、ご相談ください。
③脂質異常症(高脂血症)
以前は高脂血症と呼んでいましたが最近は脂質異常症という名前になっています。
呼称は変わりましたが血液中の脂質の代謝異常で採血するとコレステロールや中性脂肪といった数値が上がっているとこの病名がつきます。
この病気もこれだけでは症状がないので患者さんは上の二つと同様、病気に罹っているという自覚はありません。過食や食事内容、加齢や体質によって血の中の脂質異常状態が長い間続くと血管に障害が起こりやすくなり狭心症や心筋梗塞などの冠動脈(心臓を養う動脈)疾患を発症しやすくなります。すごく判りやすく言うときれいな上水道のパイプとドロドロの内容が流れる下水道のパイプとでは後者のほうが詰まりやすいということです。これまでは総コレステロール値や中性脂肪値を治療の指標としてきましたが近頃はコレステロールの種類、つまりHDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)とLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)の値や比が指標となってきました。また、患者さんひとりひとりの危険因子(年齢、性別、既往症、家族歴、生活習慣、合併疾患の有無など)により管理目標値を設定していくようになりました。この病気も予防的意義の強い治療になりますが健康な未来のため、定期的な血液検査でチェックしていくことが重要なのです。
④高尿酸血症
(鋭意作成中)
⑤気管支喘息
気管支は口から肺を繫いでいる息の通り道で下の図のような構造をしています。
ぜんそくはアレルギーが主な原因で繰り返す炎症のために気管支の壁が分厚くなり空気の通り道が狭くなります。
この状態でアレルゲンの吸入やストレス、刺激、胃酸の逆流などが加わると気管支はさらに狭くなり呼吸困難などいわゆる喘息発作の症状を引き起こします。
近年、症状のない時期から定期的に炎症を抑える吸入薬を使用することで発作や”ぜんそく死”が激減したといわれています。息が吐きにくい、息を吐く時に笛のような音がする場合、喘息の可能性があります。心当たりのある方は一度ご相談下さい。